MARUYAMA PRINTING CO.,LTD.

【技術情報2015年10月号】

印刷の歴史について2

印刷の歴史2回目の今回は平版印刷について説明します。

パンフレットや新聞の折込チラシなど、私たちがよく目にするカラーの印刷物の大半が今回紹介する平版方式で印刷されています(パッケージ類は平版方式ではない場合もあります)。
先月紹介した凸版方式は版の凸部分にインキを付けて転写するという物理的な方法でしたが、今回の平版方式は見た目はほぼ平面に見える版の上でインキの付くところと付かないところを分ける化学的な方式となります。

この方式を発明(発見)したのはドイツの劇作家であり俳優であったアイロス・ゼネフェルダーという人物です。
1700年代末、ゼネフェルダーは自作の戯曲の印刷をめぐるトラブルから多額の借金を背負い、新しく書いた戯曲を出版する余裕がなくなりました。そこで彼は自らエッチングで印刷用の原版をつくろうとしました。
インキを練る為の台として購入していた石灰石の石板の上にクレヨンでメモを書き、後で硝酸で落とそうとしましたがクレヨンの跡が残ってしまいました。この跡に油がよく載ることを発見した彼は試行錯誤の末、版を掘ったり削ったりせずに、平面のまま原版を作ることに成功します。

石灰石の上に直接クレヨンで字を書き、上からアラビアゴムと硝酸を混合した弱酸性溶液を塗るとクレヨンで書いた部分には脂肪と硝酸が反応して親油性の膜が出来ます。一方、石灰石の上は親水性のアラビアゴムの皮膜が出来ます。
この石板の上に水をひき、ローラーで油性インキを載せると、クレヨンで書いた部分にはインキが載り、書かなかった部分は水によってインキが弾かれてクレヨンで書いた部分だけにインキが残ります。
彼はこの方法を協力者とともに技術的に確立させてヨーロッパ中で特許を取り、その全技術を書物にして出版しました。
ゼネフェルダー自身はこの方式を「ストーンプリンティング」「ケミカルプリンティング」と呼んでいましたが、やがてフランス語の「リトグラフィー」という呼び方が一般的に定着していきました。
版を作成する為に熟練した特殊な技術が必要な従来の版画と異なり、画家が自身で石板の上に版を描けるこの方式は急速に普及していきました。
もちろんデメリットもありました。発明当初は薬品処理による不安定要素があったこと、版に使用する石灰石の石板が重く、高価で入手しにくいことです。
しかしながら1800年代半ばにシリンダー式の印刷機が開発されたことに伴い、版の材質がシリンダーに巻ける化学処理されたジンク版やアルミ版に変化し、インキを一旦ゴムローラーへ転写するオフセット方式へと進化しました。

当社工場でのメインはこの“平版オフセット印刷”となっています。

平版オフセット印刷平版オフセット印刷


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